ハノイの四季と日本との違い|湿気対策や住む前に知っておきたい注意点ガイド
はじめに
これからハノイに住む予定の皆さんへ。ハノイは日本とは少し違った気候や季節の特徴があり、生活面でも注意すべきポイントがあります。今回は、ハノイの四季の特徴や湿気対策、生活上の注意点について詳しくご紹介します。
ハノイ(ベトナム北部)は四季があるものの、日本とはかなり違う気候パターンです。春は3~4月頃で東京のゴールデンウィークくらいの暖かさ(気温20℃前後)になりますが、朝晩は肌寒い日もあり、長袖+軽い上着があると安心です。5月下旬~10月頃まで続く夏は猛暑・高湿度のシーズンで、最高気温は30℃を超え(特に6~8月は平均33℃前後)、湿度も80%以上に達します。日中は強い日差しに加え、スコール(激しい夕立)が頻繁に起こるため、扇風機やエアコンは必須です。10~11月の秋は雨が少なくなり、乾季らしく涼しくなります。気温は20℃前後まで下がり、最も過ごしやすい季節です。冬は12月~2月にあたり、気温がぐっと下がってきます。12月には寒くなり始め、1月は最低気温が10℃前後(寒波時には5℃程度)まで下がることもあります。日本の冬と異なり、室内でも湿度が高く(室内湿度70%前後)、足元からくる底冷えが身に沁みるのが特徴です。また冬場はどんよりと曇りがちで雨も少し降る日があり、日本の冬のようなカラッと晴れた日が少ないので注意が必要です。また、最近では大気汚染が特にこの時期にひどく、世界中の都市で5本の指に入るほど汚染されているとニュースを耳にします。
日本との気候の違い(比較表)
比較項目 | ハノイ(ベトナム北部) | 東京(日本) |
---|---|---|
年間平均気温 | 約22 | 約15℃ |
夏(7~8月) | 非常に高温・高湿(最高気温約33℃以上、湿度80%超)40℃越えの日もある | 高温多湿(最高気温約35℃前後) |
冬(1~2月) | 冷涼(最低気温10℃前後、寒波で5℃程度に) | 冷涼~寒冷(最低気温0℃付近、氷点下にも) |
年間降水量 | 約1,200~1,800mm(5~10月に70~80%集中 | 約1,500mmg(梅雨・台風で夏期に集中) |
湿度 | 非常に高い(夏は80%以上) | 夏は高湿度、冬は比較的低湿度 |
ハノイは年間を通じて東京より温暖で、冬でも気温が10℃を下回ることは少ない一方、夏は湿度が高く蒸し暑さが際立ちます。降水パターンも異なり、ハノイでは5~10月に降水量の大半(70~80%)が集中します。東京は梅雨(6月)と台風(9月頃)に雨がまとまりますが、ハノイでは雨が短時間に激しく降るスコールが多い点も違いです。
湿気・暑さ対策
ハノイの高温多湿の夏を快適に過ごすには、冷房と除湿が基本です。屋内ではエアコンの冷房・除湿モードを活用し、室温を28℃程度以下に設定しましょう。扇風機も併用することで体感温度を下げ、電気代の節約にもなりますl。通気性・吸湿性・速乾性に優れた衣服を選び、長時間の外出時は帽子・日傘で直射日光を避けると効果的です。また、熱中症対策としてこまめな水分・塩分補給も欠かせません。
湿気対策としては、除湿機やエアコンの除湿機能を積極的に使いましょう。市販の除湿機(衣類乾燥機能付き)が室内湿度を下げてくれるほか、エアコンの除湿運転でも冷房と同時に湿度を下げられます。夕方から夜間の涼しい時間帯に窓を開けて換気し、新鮮な空気を取り込むのも効果的です。ただし冬は大気汚染もあるので、換気の際は空気清浄機を併用すると安心です。
冬の寒さ対策
冬も日本の秋や春並みとはいえ、実際の寒さ対策は必要です。暖房設備がない物件も多いので、重ね着(レイヤード)できる服装を用意しましょう。パーカーや薄手のダウンジャケットなどで調整できるようにすると安心です。肌寒い日は厚手セーターやフリース、暖かい靴下を着用し、万全を期しましょう。エアコンに暖房機能があるか確認し、なければ電気ヒーターや電気ブランケットを用意すると快適度が格段に上がります。室内に除湿機を置いて暖かい空気で暖房効果を高めたり、厚手のカーテン・ブランケットで保温するのも有効です。
対策のポイントまとめ
- 冷房・除湿器:エアコンの除湿モードや専用除湿機で室内湿度をコントロール。
- 扇風機とACの併用:エアコンは28℃設定、扇風機で空気を循環させ効率的に冷却。
- 衣類選び:通気性・速乾性の高い素材を着用し、冬は重ね着で温度調整。夏場の日傘・帽子も忘れずに。
- 水分・塩分補給:特に夏は熱中症予防のため、こまめに水分と塩分(スポーツドリンク等)を摂取。
- 室内乾燥・換気:冬でも洗濯物は室内干しが基本。換気は朝晩涼しい時間帯に行い、新鮮な空気を取り入れる(空気清浄機と併用すると安心)。
- 暖房器具:厚手毛布や電気カーペットも活用し、寒い日には電気ヒーターを。可能なら暖房機能付きエアコンの物件を選びましょう。
ハノイ生活の心構えとアドバイス
ハノイの気候に慣れるには、日本とは違う気候文化を楽しむ心構えが大切です。湿気や気温の急変は当たり前と割り切り、適切に対処すれば次第に気にならなくなります。春秋が日本より短い点、夏は半袖1枚では済まず、冬は意外に冷える点を事前に知っておくと安心です。外出時には必ず雨具(折りたたみ傘や簡易ポンチョ)を携帯しましょう。夏秋にはゲリラ豪雨や台風の接近があるので、コンビニや雑貨店で安価に売っているポンチョも重宝します。気温が低い冬でも予想外に暖かい日があるため、重ね着で体温調整できる服装が役立ちます。
また、冬の大気汚染(PM2.5)には注意が必要です。空気が汚れている日はなるべく窓を閉め、空気清浄機やマスクで対策しましょうg。洗濯物は室内干しが基本で、定期的に除湿と換気をしてカビを防いでください。湿度の高い気候には慣れないと体調を崩しやすいので、室内はこまめに掃除し、布団や衣類もこまめに日光に当ててカビ対策を。
環境になじむまでは違和感を抱くこともありますが、現地ならではの工夫も参考にしましょう。例えばベトナムではレインコートが街角で1万ドン(約50円)程度で売られており、急な雨にさっと対応できます。暑い日は無理せずカフェなど涼しい場所で過ごすのも一つの手です。明け方まで熱帯夜になる日もありますが、室内では冷房を適度に使い、外出は涼しい時間帯にするなど賢い生活リズムを心がけましょう。
さいごに
最後に、ハノイの気候は決して過ごしにくいだけではなく、例えば雨上がりの緑が美しい季節や、日本では味わえない湿度の高い涼風(冬の南風)など、魅力もあります。四季の変化を楽しみつつ、上記のポイントを押さえれば、快適で健康的なハノイ生活を送れるはずです!