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ベトナム賃貸で気をつけるべき失敗例と回避法

ベトナム(ハノイやホーチミン)の賃貸事情は日本とずいぶん異なります。家賃は交渉前提で、家具家電付きが主流、契約書はベトナム語(+英語の補足)で作られることが多いなど、日本人には馴染みのないルールが山積みです。例えば、「契約書はベトナム語+英語」というケースがほとんどです。慣習や習慣の違いで「こう聞いたのに違った…」というトラブルが起こりやすいため、まず日本との違いを認識しておくことが大切です。以下、よくある失敗例とその回避ポイントを実体験ベースでご紹介します。

失敗①:契約書をよく読まずにサイン(言語の壁)

ベトナムでは日本語が通じる大家は少なく、契約書もベトナム語主体で作成されるのが一般的です。しかも口約束だけでは後々食い違いが生じがちで、「電気代込みと聞いていたのに請求された」「解約3か月前通知でノーペナルティと言われたのに違約金を取られた」などの事例も報告されています。対策として、契約書は必ず全ページ確認し、意味が分からない部分は日本語/英語訳を入手してチェックしましょう。日本語スタッフのいる日系仲介業者を通すと、交渉から書類作成まで安心です。例えば現地の不動産ブログでは、「ベトナム語だけではなく日本語訳を必ず確認し、口約束も書面に反映してもらう」ことが推奨されています。言葉の壁で重要なポイントを見落とさないよう注意が必要です。

失敗②:写真と実物が違う(家具・家電)

ネットや案内で見た写真がきれいでも、実際の部屋は古かった…という失敗はよくあります。競争激しい市場では、エージェントがサンプル写真や過去の写真を使い回すことも珍しくありません。実際に「写真の床材や壁紙は新しくておしゃれに写っていたのに、入居したら全く別物だった」という例も報告されています。対策は必ず内見することです。現地仲介も「契約前に必ず内見してから前金・契約を」と指摘しています。内見時には冷蔵庫・洗濯機・エアコンなどの家具家電が備え付けられていることがほとんどなので、型番や動作状態まで一つ一つチェックしましょう。特にマットレスやソファは汚れやシミがないか念入りに見るほか、動作確認できるものは試運転して異音や不具合がないか確認します。不具合があれば契約前に修理や交換を依頼し、可能なら修理済みの証拠を残しておくと安心です。

失敗③:水回りトラブル(排水・水圧・臭い)

ベトナムでは水道水はそのまま飲めないのが普通で、多くの物件ではウォーターサーバーや浄水器付き、19Lタンク数本で生活するスタイルです。さらに給湯器の容量が日本より小さい場合が多く、連続で使うとお湯が一瞬しか出ないことがありますf。内見時には実際にシャワーを出して水圧や温度の安定性を確認しましょう。ダナンの例でも「水圧が弱い・排水が遅いなどの問題はよくあるトラブル」と言われており、シャワーや排水溝の水はけチェックは必須です。また室内の悪臭も要注意で、実は排水トラップが乾いていることが原因で下水臭が上がっているケースが約90%とも言われます。使わない排水口には水を流して封水が切れないようにする、内見時に臭いがしないかチェックするといった対策が有効です。

失敗④:騒音や周辺環境(時間帯による差)

ベトナム都市部は騒音事情が日本と大きく異なります。近隣でカラオケ大会や宴会が始まると深夜まで止まらないこともありますし、週末終日ビルの修繕工事が続くエリアもあります。実際、ハノイの例では夜中に大音量のロックをかける隣人の話が投稿されており、管理側が介入できないケースも多々あります。一方、早朝から起きて掃除機をかける人もおり、ベトナム人は「音の迷惑という概念が薄い」傾向が指摘されています。例えばある日本人駐在員は「毎朝5時から隣人が掃除機をかけて話し声が響く」という事例を経験し、ベトナム人は大音量に慣れていると解説されています。対策としては物件周辺の時間帯ごとの環境を確認すること。内見時は可能であれば夜間や早朝にも見学し、周囲でカラオケや工事音がないかチェックしましょう。またサービスアパートはレセプション常駐で騒音対策がされている物件が多いため、騒音に敏感な人は利用を検討するのも手です。

失敗⑤:オーナー対応が悪い(修理対応・費用トラブル)

個人オーナーが貸す物件では、何か壊れても修理に非協力的なことがあります。実際に日本人仲介者の例では、夏場にエアコンが故障しても「修理費用が高額」と渋り、借主のホテル代負担を持ち出しても抵抗するケースが報告されています。結果的に交渉に半月以上かかり、ようやく部品手配を約束させたという苦労談があります。このように修理費用の折半すら拒むオーナーも少なくありません。中には仲介手数料無料をうたう業者が「オーナーが払わないから修理できません」と突き放し、結局入居者が自腹で交換せざるを得なかった例もあります。対策としては、契約前に修理対応のルールを明確にしておくことです。特に築年数の古い家具家電は壊れやすいので、万一の修理費負担割合を契約書に入れておく、信頼できる業者(管理会社)が付いている物件を選ぶなど慎重な確認が必要です。

失敗⑥:デポジットが返ってこない

敷金(デポジット)は通常家賃1~2ヶ月分を預け、退去時に原状回復後返金される仕組みですが、いくつか注意点があります。まず契約満了前に辞める場合、コンドミニアムなら敷金は没収されるのが通例です。また、部屋に傷や汚れが多いと修繕費用をデポジットから差し引かれます。例えば家財を壊したり、壁に穴を開けたり、ペット飼育で床や家具に臭いがついた場合などは返金なしになることもあります。ペットが許可されていない物件に内緒で飼うと高額な修繕代が請求されるので注意しましょう。対策としては、契約時にペット可か確認し、入居時の写真・チェックシートで部屋の状態を記録しておくこと。退去時には同じ状態で返すよう掃除・補修し、オーナー立会いのもと電気・水道メーターまでチェックすれば、不要なトラブルを避けやすくなります。

チェックポイントまとめ

  • 契約時: 契約書は必ず隅々まで読み、わからないところは翻訳して確認。電気・水道代込みか、ペナルティ条項はどうかなど要点を絞って質問し、口約束は書面化してもらう。信頼できる日系仲介を介して日本語サポートを受けると安心です。
  • 内見時: 実際に部屋を見て、写真との違いをチェック。家具・家電の動作、浴室・トイレの排水・水圧、悪臭の有無、窓や鍵の施錠状態などは必ず確認しましょう。可能であれば昼夜・朝晩の様子も見ると騒音や周辺環境がつかめます。
  • 交渉・契約前: 設備に不具合があれば契約前に修理・交換を依頼し、修繕の合意を契約に盛り込みます。デポジットの扱いや早期解約ペナルティも契約書で明示してもらいましょう。疑問点は契約後ではなく契約前にすべてクリアにしておきます。

まとめ:信頼できる仲介業者と現地事情の知識

これらの失敗例を避けるには、現地事情に詳しい仲介業者を頼るのが得策です。日本語対応可能な日系仲介であれば、言葉の壁を気にせず交渉から契約までサポートを受けられます。ベトナム特有のルールやオーナー習慣を熟知した業者なら、想定外の追加費用やトラブルの芽も未然に摘んでくれます。日本と勝手の違うベトナムで安心して暮らすためには、単に家賃や立地だけでなく、仲介業者選びと事前の情報収集を慎重に行うことが成功の秘訣です。ぜひ上記チェックポイントを参考に、賢く物件を選んで快適なベトナム生活をスタートさせましょう。

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General Director

2018年からハノイで賃貸仲介事業を行っています。趣味はバイクでソロツーリング。宅地建物取引士。

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